ドメイン名を評価する方法として、安心できる送信者のドメイン名を集めた「ホワイトリスト」と、反対に不審な送信者のドメイン名を集めた「ブラックリスト」を作成して、迷惑メール対策を行う方法が古くから使われています。ところが、単純に「安心できるもの」と「不審であるもの」の判断をすることは難しく、正当な送信者ドメイン名がブラックリストに追加されてしまうなど、誤判定の発生が無視できない点や、一度どちらかのリストに登録されると、あるドメイン名をそこから削除したりもう一方のリストに追加したりすることは難しく、メンテナンスが困難である点が問題点として挙げられます。
このような単純なリストを用いてドメイン名の信頼性を検査する方法のほかに、個々のドメイン名の評判を評価するドメイン名レピュテーションという方法があります。
もちろんサービスによって判定の方法や基準は異なりますが、ドメイン名レピュテーションサービスは、例えば迷惑メール報告率の高いドメイン名や存在しない宛先へのメール送信が多いドメイン名に対してはレピュテーションを低くし、メールの開封率が高いドメイン名や、「迷惑メールではない」ボタンのクリック率が高いドメイン名に対してはレピュテーションを高くするなどの方法で、各送信ドメイン名について点数化します。
また、ホワイトリスト/ブラックリスト方式とは異なり、多くのドメイン名レピュテーションサービスでは随時採点を行っており、同じドメイン名でも時期によって点数が高くなったり低くなったりと変動するため、「現時点での評価」を得ることができます。
メール受信側は、この送信ドメイン名のレピュテーションの点数に基づいてスパム判定を行ったり、反対に優先度が高いメールであることを確認したりすることができます。